こんにちは、ワン太です。
前回の記事でNotebookLMの基本機能や使い方について解説しました。
本記事では実際の活用事例を紹介し、NotebookLMがどのように業務や学習の効率を向上させるのかを解説します。
会議議事録の作成、マーケティング分析、研究資料の要約など、さまざまな分野での具体的な利用方法を取り上げ、導入のメリットや活用のポイントを紹介します。NotebookLMを最大限活用するためのヒントをぜひご覧ください。
今回は個人的にも大好きなNotebookLMの活用方法を超具体的に解説してきます。
NotebookLMの具体的な活用事例
NotebookLMは他のAIと大きく違い「外部の情報をいれない」というメリットがあります。
他のAIとは大きく違い「広く調べない」という一見デメリットに見えるこのソース依存のAIが、どのように企業内で活用できるのかを見ていきましょう。
多様なファイル形式を横断して一元的に管理できる
NotebookLMの最大の特徴は名前にもあるように、自分や専門的な内容に関する「専用ノートを作れる」ことにあります。
例えばひとつのテーマに関する情報を集めると、PDFであったりyoutube、そして音声など、さまざまな場所にさまざまなファイル形式で散らばっています。
これらのファイルをフォルダに入れて管理することもできますが、何の問題について調べたいときには、それらのファイルをひとつひとつ開いてチェックしなければなりません。
しかしNotebookLMであれば、それらばらばらの情報をソースとして投げ込むだけで、一元的に管理できる専用ノートができあがります。
ファイルの内容が英語などの外国語であっても日本語で質問や要約できるのも大きなメリットといえます。
一元管理の便利な活用例
例えば労働基準法に関するノートを作るとすれば、まず日本の法令検索サイト「e-Gov法令検索」で労働基準法の全文をソースとしてリンクを取り入れます。
さらに厚労省にある労働基準関係リーフレット（PDF）をソースにいれます。
労働基準監督署の指導事例を入れるのもよいでしょう。
さらにYoutubeなどで労基に関する情報を探して入れることもできます。
このように労働基準法に関するリンクやPDFなど、さまざまな形式の情報をソースとしてまとめて入れることで、ひとつひとつファイルを開かずとも、質問すればすぐに答えてくれる「労働基準法に関する専用ノート」を作ることができます。
知識・ノウハウの統合と共有
NotebookLMは「外部の情報をいれない・出さない」というメリットから、企業内に散在するマニュアル、内部規定、営業資料、会議議事録などのさまざまなファイル形式も一元的に管理できるツールです。
従来、各部署や個人が持つ知識や情報は、異なるファイル形式や場所に分散しており、新人教育や業務引き継ぎの際に情報の探索に多大な時間が費やされることが多く、知識・ノウハウの属人化が課題となっていました。
NotebookLMを活用することで、これらの資料をアップロードし、AIが自動的に内容を解析・整理することができます。
結果として、従業員間での知識共有が促進され、業務の標準化や効率化が実現します。
こうした社内の知識・ノウハウの統合と共有は、新入社員の研修や、Howto、組織全体の生産性向上とコスト削減に直結する重要な要素となります。
知識・ノウハウの統合と共有の具体的な活用例
営業対応の迅速化
・スプレッドシートなどに営業活動記録を記載し、リンクでソースとする
・過去の商談記録や提案資料を集約し、名前などのキーワード検索で即座に参照
・「この顧客は過去にどんな要望を出していたか？」などの質問にAIが回答
社内問い合わせ対応の負担軽減
・総務や経理のマニュアル、社内規定をNotebookLMにPDFなどで登録
・「経費精算の方法」「有給休暇の取得ルール」などの質問に即座に回答
契約書・業務報告書の管理と検索
・過去の契約書や報告書をPDFで一元管理し、「この契約の重要条項は？」と検索可能
・類似契約を自動比較し、違いを可視化
会議議事録の要約と検索
・会議の議事録を音声ソースとしてNotebookLMに登録
・重要な決定事項やToDoを瞬時に抽出
・「前回の会議で決まったことは？」と聞くだけで要点を取得
多言語対応
NotebookLMは、言語翻訳と多言語対応においても強力なツールです。
例えば英語の技術資料や業界レポートを取り込み、日本語で質問すれば日本語で答えてくれます。
またその逆もできるため、言語の壁を越えた情報共有が可能になります。
これにより海外の最新情報を迅速に活用でき、業務の意思決定をサポートします。
「英語での問い合わせに対する過去の対応を検索」「契約書の重要部分を日本語で要約」などの活用ができ、国際業務の効率化を実現します。
多言語対応の具体的な活用事例
英語の資料を日本語で要約・検索
・海外の技術資料・業界レポートを取り込み、日本語で要点を抽出
・「この英語のレポートのポイントを日本語で教えて」と質問可能
多言語の問い合わせ対応
・NotebookLMに過去の問い合わせデータを蓄積し、多言語で検索・回答
・「英語での問い合わせに対する過去の対応を探す」などの活用が可能
クリエイティブなコンテンツ生成・リライト
クリエイティブなコンテンツ生成やリライトにも活用できます。
例えばビジネスメールや報告書のリライトを行い「簡潔に」「フォーマルな表現に」などの指示をすることで、文章の質を向上できます。
またYouTube動画やウェビナーの要点整理も可能で、ビジネス書の要約動画を視聴し、NotebookLMに内容をまとめることで、後から検索・復習が容易になります。
さらにプレゼン資料作成の補助として、過去の資料をもとに要点を抽出し「3分で説明できる形に要約して」といった指示も可能です。
クリアエイティブの具体的な活用例
報告書やメールのリライト
・NotebookLMに過去のビジネスメールや報告書を登録し、文面のリライトを依頼
・「このメールを簡潔に」「もっとフォーマルな表現に」と指示して修正
YouTube動画やウェビナーの要点整理
・ビジネス書の要約動画やウェビナーを視聴し、NotebookLMで要点を整理
・「この動画の内容を簡潔にまとめて」と質問し、テキスト化・検索可能
プレゼン資料の作成補助
・NotebookLMに過去のプレゼン資料を取り込み、「この内容を3分で説明できる形に要約して」などの指示が可能
自動レポート作成と統合した分析
NotebookLMは自動レポート作成と統合分析にも活用できます。
複数の資料やデータソースを取り込み、重要なポイントを抽出・要約することで、迅速なレポート作成が可能です。
例えば市場調査レポートや営業報告をNotebookLMに登録し「このデータから主要なトレンドをまとめて」と指示するとAIが要点を整理してくれます。
異なる文書の統合分析も可能なので「競合企業の強みを比較」や「前年との売上の違いを要約」などの活用ができます。
これにより意思決定に必要な情報を素早く整理し、効率的なレポート作成と分析業務の負担軽減を実現します。
自動レポート作成の具体的な活用例
市場調査レポートの自動作成
・競合分析データ等を取り込み「主要なトレンドを要約」と指示すると、重要ポイントを自動整理
・複数のデータソースを統合し「競合企業の強みと弱みを比較」などの分析も可能
プロジェクト進捗レポートの作成
・過去のプロジェクト資料をアップロードし「このプロジェクトの進行を要約」と依頼することで、チーム共有用のレポートを短時間で作成
アイデア創出とブレインストーミング支援
アイデア創出やブレインストーミングの支援にも活用できます。
例えば新規事業の企画や商品開発時に、過去の業界レポートや市場分析データを取り込み「この市場で売れる商品は？」と質問すると、NotebookLMが関連する情報を整理し、アイデアのヒントを提供します。
また競合企業の戦略やトレンドを分析し「競合との差別化ポイントは？」といった視点で新たなアイデアを生み出すことも可能です。
アイデア創出の具体的な活用事例
ブレインストーミングの効率化
・会議のアイデア出しをNotebookLMに記録し「これまでの議論を整理して、可能性の高いアイデアを抽出して」と依頼
・アイデアをカテゴリごとに整理し、具体的なアクションプランを作成
広告・マーケティング施策の立案
・過去のマーケティングキャンペーンデータをアップロードし「成功した施策の共通点を分析して」と指示
・コピーライティング技術などのテクニック資料をアップロードし、効果的なプロモーションコピーの作成に活用
文書比較・リスク管理
文書比較やリスク管理にも活用できます。
例えば契約書や社内規約の変更点を自動抽出し「この契約と前回の違いは？」と質問すると、修正部分を即座に特定できます。
また、クレーム対応履歴を分析し、顧客からの頻出課題を抽出することで、製品・サービス改善のヒントを得られます。
さらに規制や法改正への対応として新旧のガイドラインをNotebookLMに登録し「法改正による影響は？」と分析することで、適切なコンプライアンス対応を支援します。
文章比較・リスク管理の具体的な活用例
契約書や規約の変更点を自動抽出
・異なるバージョンの契約書をアップロードし、変更点を自動比較
・「この契約と前回の違いは？」と聞くだけでポイントを整理
クレーム対応やアンケート分析
・過去のクレームデータを登録し「どんなクレームが多いか？」を自動分析
・アンケートの内容を読み取り自店舗の良い点や悪い点を洗い出し改善に活かす
YouTubeやウェビナーの要約
YouTube動画やウェビナーの要約にも活用できます。
例えばビジネス書の要約動画や業界ウェビナーを視聴し、リンクをソースに登録すると、AIが要点を整理し、後から簡単に検索・参照できます。
また「この動画の内容を3行でまとめて」と指示すれば、短く要約された情報を取得可能です。
さらに、複数の動画の内容を統合し、共通点やトレンドを抽出することも可能です。
Youtubeやウェビナーの要約の具体的な活用例
ビジネス書の要約動画を整理
・ビジネス書の要約動画を視聴し、NotebookLMにメモをアップロード
・「この本の重要なポイントを要約して」と指示し、キーワードを抽出
・後から「企業ではさまざまな数値化が重要な理由を教えて」などと検索可能
業界ウェビナーの内容を短時間で把握
・業界イベントやウェビナーの資料をソースに登録
・「このウェビナーの主なトレンドを3つにまとめて」と指示し、要点を整理
・チームに共有する際、長時間の録画を見なくても、重要ポイントだけを抽出
マーケティング施策に活かす
・マーケティング関連の動画やセミナーの内容をソースに保存
・「成功事例に共通するポイントを要約して」と質問して効果的な施策のヒントを得る
売上・決算データの活用と分析
売上データや決算資料を取り込み、自動で要点を整理・分析できます。
しかし残念ながら、執筆時点ではNotebookLMには直接スプレッドシートやエクセルなどの表計算ソフトを直接ソースにすることはできません。
そこでひと手間加える必要があります。
資料の保存の際にカンマ区切りもしくはタブ区切り（おすすめはタブ区切り）のcsvファイルで保存することで、ソースにすることができます。
活用方法としては、例えば売上推移の要約や前年同期比の比較を瞬時に行い、トレンドや成長要因を特定できます。
また、売上の異常値を検出し、急増・急減の要因を特定することで、営業戦略の見直しに活かせます。
さらに、広告費やコストとの関連性を分析し、ROI（投資対効果）を簡単に評価可能です。
地域別・商品別の売上ランキング作成や、取引先ごとの売上減少リスク管理にも役立ちます。
売上・決算データの活用と分析の具体的な活用例
売上推移の要点を自動要約
・過去の売上データ（CSV/TSV）をアップロードし、「この3年間の売上トレンドを教えて」と指示
・売上の増減のポイントや、季節ごとの変動を要約して表示
前年同期比の売上比較
・売上データを登録し「前年同期と比べて売上の変動は？」と質問
・自動で前年と比較し、どの製品・地域・チャネルで成長または減少したかを整理
売上の異常値・急増急減の分析
・売上データを取り込み「売上が急増または急減した期間とその要因を教えて」と質問
・キャンペーンや新規取引の影響を特定し、営業戦略の見直しに活用
利益率やコスト構造の分析
・売上データとコストデータをアップロードし「利益率の推移を分析して」と指示
・どの事業・製品が高収益か、どこにコストがかかりすぎているかを自動で整理
売上と広告投資の関係性を分析
・広告費と売上データを統合し「広告費の増加が売上にどのように影響したか？」と質問
・投資対効果を簡単に把握し、マーケティング予算の最適化に活用
地域・店舗ごとの売上ランキングの作成
・全国の店舗や営業拠点の売上データを登録
・「売上が最も高い地域と低い地域を整理して」と指示し、エリア別の戦略を策定
商品別の売上ランキングとトレンド分析
・売上データを分析し「過去6カ月で売上が伸びている商品と落ち込んでいる商品を教えて」と質問
・トレンド商品の把握と、販促戦略の見直しに活用
決算資料の要点抽出と報告準備
・決算資料をアップロードし「今回の決算のポイントを要約して」と指示
・プレゼンや報告書作成時に、重要な数値やトピックを自動で整理
取引先別の売上分析とリスク管理
・顧客ごとの売上データを登録し「売上が減少している取引先はどこか？」と質問
・売上減少の兆候がある取引先を特定し、営業アプローチを見直す
NotebookLMの活用まとめ
いかがですか？個人的活用頻度トップ3に入るというのも納得いただけたのではないでしょうか。
NotebookLMを活用すれば、売上・決算データを取り込み、自動で要点を整理し、比較・分析・戦略立案…などさまざまな業務をサポートしてくれます。
「すべての情報はソースに基づく」という一見使い勝手が悪そうにみえるAIですが、NO.1AIとの呼び声も高い理由がわかっていただけたかと思います。
この事例以外にも考え方次第でもっと活用の幅は広がるのではないかと思います。
ぜひあなたも明日から活用して、業務効率化に役立ててみてください！
